キャブレターチューニング Carburetor tuning
キャブレターとは、ガソリンをガソリンタンクから取り込み霧状にして空気と混ぜ合わせ、エンジン内部へ送りこむ、というか吸入させる機械です。
エンジン内部ではどのようなことが起きているかというと、ピストンが上下することで「ピストン下がり空気取り込み→ピストン上がり圧縮点火→爆発しピストン下がる→ピストン上がり排気」をひたすら繰り返し、エンジン内部では常にピストンが上下しており、ピストンが下に下がったときに吸入負圧という力が発生します。
この吸入負圧によって、キャブレターからガソリンと空気の混ざった混合気を取り込んでいます。
さらに、スロットルを開けるとその開ける量と比例するようにキャブレターの内部のふた弁が開いていき、よりたくさんの爆発に必要な混合気がより多くエンジン内部に流れ込んでいき回転数が上がっていきます。
メリットとしては電子制御されたインジェクションに比べて、万が一故障した時などでも工具さえあればその場でなんとかできる余地があることや、ジェットやニードルなど不具合が出たときの交換部品も数百円~と安価なこと、また上記のとおりエンジンの上下運動に連動し動く機械式のため、電気的なトラブルも基本ないことなど、故障時の費用は安くなるケースが多いです。
また、キャブらしさ、という意味では最近のインジェクションはセッティングできる幅が非常に広くなり、その「キャブらしさ」さえ再現できだしていますが、アイドリング回転数を手元のノブで調整したり、コックをONにしてスロットルを数回あおり、チョークを引いてエンジンをかける儀式など、キャブレターならではの味があります。
デメリットとしては、暑さ寒さや気圧など外的要因にはどうしても敏感で、冬場はしっかり暖気しないとエンジンが暖まるまでストンストンとエンジンストールしてしまったり、気圧の低いところに行ったりすると空気が薄くなりパワーダウンしてしまいます。
ハーレーダビッドソン2006年まではほとんどの車両がキャブレターという燃料方式だったのですが、2007年以降は全車がインジェクションという燃料供給装置となり10年、巷に走るハーレーはインジェクション車が多数となり、シャーシダイナモも導入しインジェクションチューニングのご依頼も多数いただいている現在も、以前に比べれば件数は少なくなりましたがHSCでは変わらずキャブレターチューニングも行っております。