インジェクションチューニング Injection tuning
インジェクションチューニングとは?
インジェクションとは吸入負圧で燃料を供給するキャブレターに対して、コンピューター制御による信号を受け、ガソリン噴霧器(インジェクター)を使い、強制的にガソリンをを噴射しています。
エンジンやマフラーなど各部に取り付けられたセンサーでエンジン温度の検出をはじめ、排気ガス中の成分分析し、あらゆる域で必要な燃料の量を計算してくれるので、非常に細かな制御が可能となります。
メリットとしては気温や湿度、エンジン内の温度など様々な要素からな必要なガソリン噴出量を導き出すため、始動性が良く、気圧が高くても低くても、夏でも冬でも安定した始動性能を発揮できます。
デメリットとしてはすべてが電子制御なので、壊れてしまうとまずその場での修理は不可能です。
ハーレーが全車インジェクションになって十余年、はじめはインジェクションなんて、、、と言われていましたが、ここまでインジェクションが一般的になり、コンピューターチューニングも劇的な進化をしている現在、「性能」という点においてはキャブレターがインジェクションに勝るところを見つけるのは難しくなってきています。
インジェクションモデルは、燃料や点火のタイミングをコンピューターで制御しています。
このコンピューターが走行するためのすべてをコントロールしてインジェクターやコイルなど各部に指示を出しています。
ノーマルの場合、国内外の排ガス規制をクリアさせるため、ノーマル状態のエアークリーナーやマフラーの仕様に合わせた燃料の薄いデータがコンピューター内にプログラムされています。
ノーマルの状態から、効率の良いエアークリーナーや触媒が無かったり排気音が大きくなるマフラー等に交換した場合、ノーマルのプログラムはノーマルの吸排気の状態でも排気ガス規制のために薄い設定になっているのに、さらにデータとバランスが取れなくなります。
その崩れてしまったバランスをその車両ごとに適正にチューニング(というかイメージとしてはセッティング「調整」に近いでしょうか)することにより、エンジンにとって最も良い状態で走行できるようになります。
チューニングの必要性
考え方によってはマフラー・エアクリーナー等交換しても、とりあえず走行出来てしまうことがインジェクション車の問題なのかもしれません。
機械式のキャブレター車であれば走行自体が難しくなりますが、インジェクション車は吸排気のバランスが崩れても、バランスを崩れたことを無視し(少々の補正はされますが)ノーマルのプログラムでコンピューターが指示を出し続ける為、永続的にガソリンが非常に薄い燃焼状態で噴出し続け走行できてしまいます。
そのため、エンジンが熱を持ち、ノッキングやオーバーヒートをおこしやすくなり、エンジンの消耗を早め、最悪の場合はオイル漏れやエンジン内部が焼付く可能性も出てきます。
また、エンジンにトルクが無くなり、低速や坂道でパワーが出なくなり、アクセルを戻した時や減速・エンジンブレーキ中にマフラーからアフターファイヤーと言われる大きな音が出てしまいます。
そのような悪影響が出る為、チューニングを行うことで、車両ごと、また交換したエアクリーナーやマフラー等に合わせて、燃費噴射や点火タイミング等のプログラムを適正に書き換える事が必要となります。
チューニングのメリット
チューニングをすることによってエンジンをその車両一台一台のスペックに合った状態で走行出来るようになり、エンジンにも良いという事が一番のメリットです。
また、チューニングによって、点火と燃料のテーブルをプログラミングできるようになるため、アイドリング回転数も任意に設定できるようになり、よりハーレーらしいエンジンの鼓動を楽しむ事も出来ます。
HSCではフルコンをおすすめしています!
なおチューニング商品についてもにたくさんあって何を選んだら良いか迷われると思います。
弊社ではフルコン(コンピューターすべてを書き換えるタイプ)を勧めており、単純に燃料を濃くするエンリッチナーやコンピューターの一部を変更するサブコンは基本お勧めはしておりません。
フルコンは大きく分けて書き換え系と交換系の2タイプあります。
書き換え系は純正コンピューター内のデータを書き換えるタイプで、弊社は、ダイレクトリンク・フラッシュチューナー、パワービジョン、フューエルパックFP3(年式車種によっては他デバイスをお勧めしています)、スクリーミンイーグル・スーパーチューナー(生産中止・リセッティングは承れます)を取り扱っております。
交換系は純正コンピューターを取り外し、別のコンピューターに入れ替えセッティングするタイプです。
代表的な商品としてはツインテックやサンダーマックスがありますが書き換えタイプとできることも大きく変わらずコストも高い、また純正コンピューターはディーラーや私たちの持つ電機診断機での診断も可能ですが、その電気診断もできなくなり(正確に言うとツインテックやサンダーマックス独自のソフトでの診断は可能ですが、純正よりも診断できる領域が少ない)、さらに電気系の不具合を起こす可能性も純正コンピューターよりも高まるため、今日では書き換えるタイプを選ばれる方がほとんどです。
純正書き換えタイプ(フラッシュチューナー パワービジョン)のメリットとデメリット
メリット
純正コンピューターを使用する為製品精度が高くかつ安価、純正コンピューターが壊れない限りトラブルが起こりにくい。
また、チューニング技術があれば正確にセッティングができ、かつ純正の状態に戻すのが簡単です。
デメリット
とにかくセッティングが難しいという点。
また、実走行を繰り返しながら書き換えていくことである程度は近づけることはできるがシャーシダイナモがなければ全域でのベストセッティングは出せません。(公道では様々な走行シーンの再現は不可能です)
つまりシャーシダイナモがあり、チューニング実績が豊富なショップでなければ正確にチューニングできない、ということがデメリットです。
料金の目安
シャーシダイナモチューニング基本工賃一式 66000円~
シャーシダイナモによるリセッティング工賃 88000円~
(他店でチューニングを行った、またはご自身でデバイスをご購入されたお客様への価格、シャーシダイナモチューニングによるデバイス内データ書き換え一式)
以前弊社でチューニングされた方が吸排気等交換しリセッティングされる場合 44000円
O2センサー穴明け加工8800円
(正確なデータが出しやすい、またマフラーの種類によっては必須)
カム交換車 +11000円
ボアアップ車両 +11000円
その他、スロットルボディ、・シリンダーヘッド・クランク等交換されたハードチューニング車両は都度相談
チューニングデバイス一覧
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フラッシュチューナー(アイドリング下限650rpm)
66000円(工賃別)
正確なチューニングが可能かつライセンスタイプのデバイスなので紛失等する心配がありません。
アイドリング回転数も任意で設定可能で他デバイスに比べ価格もお手頃なため、最も人気のあるデバイスです。
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パワービジョン並行輸入品(アイドリング下限900rpm)
81400円(工賃別)
パワービジョン正規輸入品(アイドリング下限800rpm)
87780円(工賃別)
正確なチューニングが可能かつ、複数のデータをモニター内に保存できます。
※本体が壊れてしまうと内部のデータの入れ替えもできなくなってしまうので、落下などの破損には注意する必要があります -
スーパーチューナー(生産中止)
生産終了されましたがリセッティングは可能なのでスーパーチューナーをお持ちで正確なチューニングを行いたい方はご相談ください。 -
フューエルパックFP3 (生産中止)
フューエルパックTP4へ切替え予定
※メーカーより提供されているベースデータであれば、ノーマルよりは燃調が濃くなりますが、正確なセッティングは出ておらず、またオートチューンを行うと不調になるためHSCでは基本フューエルパックはお勧めしておりません。
また、HSCはフューエルパックPROの取扱店でもありダイノマシンでのセッティングも可能ですが、他デバイスに比べFP3でのチューニングは非常に時間がかかるため割増料金をいただいております。